《フクロウ便り》佐村河内氏問題から写真を考える〜作者は誰か〜

yamatoback

現代のベートーベンと言われた人気作曲家佐村河内氏にゴーストライターがいたという事実が明らかになった。ゴシップ的な話はワイドショーにお任せするとして、ここでは少し視点を変えてこの問題に触れてみたい。

私は、この事件を知ってすぐに、報道写真家としてその名をとどろかせた名取洋之助氏のことを思い出した。名取氏が表舞台で脚光を浴びるようになったのは、ドイツ人妻エルナが撮影した火災現場の写真の中から、名取氏が写真を吟味選択し、組写真として発表したのがきっかけである。名取氏の名誉のために、彼はこの事実を決して隠蔽しなかった。しかし、以前から、写真家として評価されるべきは撮影者であるエルナか、写真をセレクトした名取氏か、この問いがいつも私を悩ませてきた。

翻って、今回の佐村河内氏の事件。彼がゴーストライターの新垣氏の存在を隠蔽した事実は論外として、はたして佐村河内氏の存在なくして、曲はあれほどまでに評価されたのだろうか?佐村河内氏の「被爆二世」「全聾(こちらは疑惑が持ち上がっているが)」「ミステリアスな風貌や言動」という外的要因によって、世間一般、いや専門家からも評価されてきたという事実は否めない。もし仮に佐村河内氏がゴーストライターの存在を認めた上で、曲を発表していたら、天才と呼ばれるべきは佐村河内氏か、新垣氏か。

真の作者はいったい誰なんだろう?
この出口のない迷路を永遠と彷徨っていると、突然妻が私に声をかけた。
「今度スキーに行くんでしょ!この手袋がいいんじゃないかと思って・・・」
妻は子どもにどういう服を着せれば写真映えするかを考えていた。そういえば、あの撮影のとき、「写真撮るなら、ここがいいんじゃない」と言いながら子どもを誘い、場の雰囲気を盛り上げてくれたのは妻だった。カメラを全く意識せずいい表情をしてくれたのは子ども。ピントをしっかり合わせてくれたのは最新式のカメラ。そして背景をキレイにボカしてくれたのは優秀なレンズだ。きっとあの日の子どもの服装も妻が前日に考えたのだろう。そして最後に私がシャッターボタンを押し、入賞通知が届いた。

「パパ、おめでとう!やったね」

作者は誰で、ほんとうに評価されるべきは誰なんだろう・・・

今日はとても眠れそうにない。

佐村河内氏問題から写真を考える〜作品の評価とは〜へつづく・・・

 

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